北海道の歴史やアイヌ民族の勉強が趣味な北海道民・おかめです。
アイヌ神話・民話には魅力的な神様がたくさん登場します。
その中でも、人々に知恵を授けたり、魔物と戦ったりした物語が残されている英雄・オキクルミ(アイヌラックル)という神様がいます。
日高地方の平取町・二風谷コタン周辺に伝説が残っている事でも有名です。
2020年の札幌雪まつりでは、アイヌラックル伝というタイトルで、生まれた話をプロジェクションマッピングで楽しめるようになっていました。
オキクルミ(アイヌラックル)がどんな神様だったのか、ざっくり簡単にまとめてみました。
オキクルミ(アイヌラックル)って?
北海道に和人よりも先に住んでいるアイヌ民族に伝わる、ユーカラという、口伝えで紡がれてきた物語があります。その中に出てくる英雄です。
- モシリ(北海道の島の意)に初めて生まれた神様
- 人間に生きる上で必要な知恵を与える為にカムイの世界から遣わされた神様
と言われている、アイヌ神話の中の英雄の1人、オキクルミ。
人の事が好きな神、人のような神、として人々に慕われている存在です。
母はハルニレの精霊・チキサニ姫。父は雷の神・カンナカムイです。
雪像だと、左の女性がチキサニ姫、左の男性がカンナカムイとなっていました。
地上にいたチキサニ姫の美しさに見とれ、思わず天上の世界から地上に落ちたカンナカムイが雷を伴って地上に落ちました。
この時、燃えるチキサニ姫の中から生まれたのが、オキクルミだと伝承では語られているのです。
太陽の女神に育てられた、狼の女神に育てられた、などの説があります。どちらにしても、実の母とは生まれた瞬間から生き別れている状態です。
人々に知恵を授けるだけでなく、地上にいた魔人や魔物を退治したりする物語も多い英雄です。
妻には美しい白鳥の精霊・レタッチリをもらったという話や、蛇の女神に恋をされた、という話なども。
知恵の話や、冒険の話だけでなく、恋愛モノもこなす、オールラウンダーに魅力的な神様です。
名前も様々で、アイヌ民族の中で伝えられている口伝の物語、ユーカラの中ではオキクルミの他、アイヌラックル・(アエ)オイナカムイ・オキキリムイなどと呼ばれています。
漢字では伝文神、伝承神、文化神、始祖神などと表記される事もあります。
地域などによって呼び方やどういった人物だったのか、という事も異なっているのも魅力の一つだと思います。
サマイクル(サマイユンクル)も呼び方の一つ、とされています。
しかし、兄弟だったり、正反対の性格を持つ相手となっているお話が多い印象です。
ちなみに、ポイヤウンペという人物がいます。
こちらは、半分神様だったり、人間だったりする不思議な英雄の1人です。
札幌雪まつりのアイヌラックル伝
オキクルミの聖地・平取町でゴールデンカムイの謎解きをしたり、先人カードめぐりをしていたその日の夕方に、札幌雪まつりを見てきました。
平取から、すっかりオキクルミ熱にうかされている私。
夜にはプロジェクションマッピング
シマフクロウの語りで始まる、チキサニ姫とカンナカムイの恋物語。
カンナカムイが姫に想いを寄せる演出が綺麗でした。
カンナカムイの雷撃の後、燃え盛る炎の中から聞こえる、赤ん坊の泣き声。
これでオキクルミが誕生したのだ、というシーンには、心が震えました。
お隣には小さい子を連れたご家族がいました。
カンナカムイの雷撃が落ちた時の大きな音と光の演出で、怖いと小さい子が号泣してました。
チキサニ姫とカンナカムイの組み合わせが昔から好きな私は、もう感極まって号泣してました。
最後に
アイヌ神話に登場する、オキクルミについて、札幌雪祭り2020で見たアイヌラックル伝の感想と共に簡単にご紹介しました。
アイヌ民話・アイヌ神話は北海道の動植物や気候・地勢なども大きく関係しています。
北海道の観光や旅行がより楽しくなるので、知っていて損はありません。
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