中山久蔵とクラーク博士に縁が深い、北広島市の旧島松駅逓跡に行ってきました。
北広島のカントリーサインがクラーク博士なのは、ボーイズビーアンビシャスの言葉が残された場所で有名だからなんでしょうな
現在の北海道米のルーツとも言われている、赤毛米という品種を見る事ができます。
- 北海道に現存する最古の駅逓
- 中山久蔵が稲作の北限に挑んだ場所
- 明治天皇巡幸で使われた部屋が残っている
- クラーク博士が「ボーイズビーアンビシャス」の名言を残した場所
ざっくり説明すると、こんな感じです。
所要時間や注意点、見どころなどを実際に行ってきた感想を交えてまとめてみました。
北広島のアウトレットパークやエスコンフィールドに行きがてら、歴史に触れたいという方の参考になれば幸いです。
旧島松駅逓所
場所
建物自体は昭和59~平成2年にかけて建て直されたものの、建材には以前のものが再利用されています。
そのため、明治時代に建てられた当時の木材などを見る事ができます。
開館時間
- 開館時期 4月28日~11月3日
- 開館時間 10時~17時
- 休館日 月曜(祝日除)・祝日の翌日
冬の間はやってないよ!
また、夏と秋のそれぞれ1週間程度、ライトアップされている事もあるようです。
駅逓所の隣にある見本田で稲作が行われている様子が見たい、という時は行く時期にご注意を。
入場料
- 大人 200円
- 小中学生 100円
所要時間
- さらっと見るなら30分
- しっかり見るなら1時間以上
建物の中で説明書きが無いものでも、しっかり丁寧にじっくり教えて頂けます。
1時間以上は余裕を持ちましょう
ガイドの方も気になる所はありませんか?質問はありますか?と聞いてくれるので、ガンガン気になってる事を聞いて満足する事ができます。
見どころポイント
北海道米のルーツ・赤毛米
駅逓の外では、赤毛米の見本田を見る事ができます。
- 寒さに強い米の品種
- 現在のななつぼし・ゆめぴりかのルーツ
- 寒くて稲作が難しいと言われていたが
- 明治初期に中山久蔵が稲作に成功した
時期が良ければ、実際にそこで植えられている様子を見ることも。
北広島の小学生が田植え&稲刈り体験を行っているそうだよ
私が行った時は5月上旬で何も無い状態でした。
5月中旬頃に田植え、9月中旬に稲刈りが行われているようです。
夏に行くと稲穂が並んでる様子が楽しめるのかも
赤毛米は北海道遺産にも登録されています。
中山久蔵について
仙台藩出身だった、という事で仙台縁の箪笥を見る事ができたり、中山久蔵の人生について触れる事ができます。
庭先でハスやオニユリの栽培をした理由が、根がレンコンやゆり根として食べられるから、という理由。
仙台藩の藩士に仕えている中で、北海道でも栽培できそう、と知っていたんでしょうか。
生きていく為にまず食料を作る、日本人だから北海道でも米を食べたい、という所に生きていく熱意を感じました。
>>中山久蔵と北海道の米作りの歴史!道南から北でも稲作ができるまでを簡単まとめ
明治天皇巡幸の部屋
明治天皇の巡幸の際に、行在所としてお昼ご飯を食べに立ち寄りました。
天皇家縁の特別な畳のへりや、明治天皇の肖像画を見る事ができます。
すごくお金をかけて用意した部屋だったそうで・・・
久蔵は借金をしておもてなしの為に部屋を増築しました。
結果的にその借金が返せなくて破産。
町が天皇陛下が滞在した大事な建物だからと買い取ってくれた上で、そのまま住んでいられたのだとか。
ちなみに、お昼ご飯代などは明治天皇は絶対支払うタイプだったそうで、それでもまかないきれない金額だったのですね。
米作りに成功し、明治天皇をおもてなしした成功者でも、うまくいかなかったのかと驚きました。
松本十郎との交友関係
松本十郎が開拓使の仕事をやめ、本州に帰ってからも交友関係があった中山久蔵。
駅逓内には松本十郎から贈られた書や、手紙が展示されていました。
ちなみに、松本十郎の博物館には中山久蔵の手紙が展示されているのだとか。
児童向けの中山久蔵の本でも、松本十郎との関係が描かれています。
コチラの本は分かりやすい解説も添えられているので、子供から大人までオススメです。
クラーク博士の石碑
1877年(明治10年)にクラーク博士が9ヶ月の任期を終え、アメリカに帰国します。
その時に島松駅逓所でお別れをした際に残したのが、有名な「ボーイズビーアンビシャス」の言葉でした。
それを記念して、北海道大学が昭和25年に建てたクラーク博士の石碑になります。
ちなみに、北広島市のカントリーサインもクラーク博士。
クラーク博士は北海道に半年ちょっとしかいなかったんだけどね
クラーク博士が残した、「ボーイズ ビー アンビシャス(青年よ大志をいだけ)」の言葉に続く「ライク ジ オールドマン(老いた者のように)」は、島松駅逓にいた中山久蔵を指すという説もあります。
ただ、クラーク博士は50歳で北海道にやってきたので、老いた私のように、という意味合いだった説が有力です。
>>御雇外国人のホーレス・ケプロンやエドウィン・ダン、クラーク博士について簡単まとめ
歴史好きにオススメポイント
赤毛米が貰える
見学終了間際に、バケツで作れるから試してみてねと頂きました。
これが赤毛米・・・!
中山久蔵の本を読んでからずっと気になっていた赤毛米の実物を見て&触る事ができて感激です。
ノギが赤いってこういうことか!と。
実物が見られて嬉しくて、ほぐすのもったいなくてバケツ栽培も試しに食べてみる事もしていません。
>>北海道でお米はいつから作られた?美味しい北海道米になるまでの歴史を簡単まとめ
もしかしたら「開拓の群像」が貰えるかも
開拓神社の御祭神37柱についてまとめられた、北海道神宮で配布されていた「開拓の群像」。
私が北海道神宮に行った時(2023年5月)には見かけられませんでした。
しかし、島松駅逓所で解説をして下さった方が歴史好きなら・・・という事で頂いてきました。
ずっと欲しかったからめちゃくちゃ嬉しい・・・!
中山久蔵は開拓神社の御祭神じゃないのになんで?と思われるかも知れません。
実は、巻末の方に中山久蔵が載っているんです。
下さった方いわく、お願いしたら載せてくれたとの事だったので、そういう経緯で開拓の群像があった、という事なんですね。
最後に
北広島のエコミュージアムに行ってから、ずっと気になっていた島松駅逓に行けた!という感動で感想をまとめてみました。
ガイドの方と話すぎて、30分程度のガイドの予定が1時間超えてしまったのが申し訳なかったです。
私が行った時には見本田に赤毛米が植えられる前だったので、今度は植えられている時期に見に行けたらなと思っています。
旧島松駅逓所って?