北海道は広いけれど県がなく、かわりに○○地方や○○管内、塊によって道南・道東・道央・道北と呼ばれています。
そう。
いつのまにか(2010年)、支庁から振興局に変わってました。
- 北海道の14地方はそれぞれどこ?
- 含まれてる市町村は?
- 現在に至るまでの変化の歴史とかは?
- しっくり来るエリア分けは?
など気になってきたので、調べてまとめてみました。
※あくまで個人的な主観が入っているので、十勝以外の話によっては違いがある可能性しかありません。
北海道のエリア分け
4エリア&6エリア分
大きな北海道を4分割したエリア分けです。
- 道央→石狩、後志、空知、胆振、日高
- 道南→渡島、檜山
- 道北→上川、留萌、宗谷
- 道東→根室、釧路、オホーツク、十勝
たぶん一番メジャーな分け方なのではないでしょうか。
道東地方とか言います。
ちなみに、道西は存在しません。
地域経済圏とも言われてるそうで、観光雑誌などのエリア分けで使われているのを見る事があります。
- 十勝
- オホーツク
- 根釧(こんせん)→根室、釧路
- 道央→石狩、後志、空知、胆振、日高
- 道南→渡島、檜山
- 道北→上川、留萌、宗谷
の合わせて6エリアになっている事が多いです。
観光のまとまりや産地表記の時に見る気がします(例:根釧牛乳など)
4つ&6つに分ける際、道南に胆振&日高or後志が入ったり、場合によってエリア分けの内容が異なります。
私は道東民(十勝民)ってよく言いますが、胆振&日高の方は道央と道南、どっちの方がしっくり来るんでしょうか?
NHKの放送局エリア分け
なんにせよ十勝は道東or十勝エリアに属するんですが
そのエリア分けの中でもこれは!と思うものを見つけました。
- 札幌拠点放送局→石狩、後志、空知
- 函館放送局→渡島、檜山
- 室蘭放送局→胆振、日高
- 旭川放送局→上川、留萌、宗谷
- 根室放送局→釧路、根室
- 北見放送局→オホーツク
- 帯広放送局→十勝
私の思い込みかもしれませんが、民放の天気予報の区分も、だいたいこのエリア事に紹介されてる気がします。
14(総合)振興局
14地方がそれぞれどんな所なのか、簡単にまとめてサイズ順で並べてみました。
ちなみに、北海道のサイズは約83,000K㎡です。
書いてる本人が十勝生まれ十勝育ちの十勝民なので、十勝目線でお送りしてます。
そこに個人的な部分が多めに含まれているので、色々ご容赦下さい。
十勝総合振興局
- 振興局所在地は帯広市
- 約10,800K㎡
- 岐阜県と同じくらい
明治初期、日高山脈や大雪山系に囲まれた平野は札幌や旭川からの大きな道が無く、海からの玄関口である港から内陸部までも遠いので
という事で、行政が色々介入してインフラ整備するのが比較的後回しにされた末っ子ポジション。
そこに果敢に乗り込んだ、依田勉三率いる晩成社の頑張りは有名です。
インデアンカレーやますやパンなどなど、独自のローカル店が多いのも特徴の1つ。
十勝モンロー主義と呼ばれる、
という地元愛とある種の独占欲が強い地域だと思ってます。
大雪や台風で高速道路・峠が通行できなくなると、陸の孤島と化します。
オホーツク総合振興局
- 振興局所在地は網走市
- 約10,700K㎡
- 岐阜県と同じくらい
かつては網走支庁と呼ばれていましたが、振興局になってからオホーツクになりました。
流氷で有名な網走&紋別、赤いサイロで有名な清月やハッカの北見などが含まれています。
私の父方の実家があるオホーツク地方で、小学校の数年を過ごしました。
小学校のバス学習では網走監獄博物館に行き、今はない網走水族館に行ったのが良い思い出です。
農業・林業・漁業・冬の観光も強い、ザ北海道(冬ver)を楽しみたい時にオススメの地方。
上川総合振興局
- 振興局所在地は旭川市
- 約9,900 Km
- 青森県と同じくらいのサイズ
北海道では珍しく、海に面していない内陸の地方です。
札幌・函館に次ぐ大都市旭川、超絶有名すぎる富良野&美瑛などを含みます。
旭山動物園や北鎮記念館など、子連れのおでかけから大人の趣味まで楽しめるバラエティの豊かさ!
歴史・観光・食などなど、色んな目的の旅行を楽しめる羨ましい地方です。
ちなみに、冬になると大雪が降ったとニュースになる幌加内(in朱鞠内)や最低気温で上位ランキングに入る市町村が多いのも特徴だと思います。
根室振興局
- 振興局所在地は根室市
- 約8,600 K㎡
- 広島県と同じくらいのサイズ
秘境・知床知床はオホーツク地方との狭間にあったり。
天気が良い日には海の向こうに国後島が見えたり、道案内の青看板などにはロシア語が書かれていたり、異国感があります。
還せ!北方四島!がスローガンなのかと思うくらい看板がたくさん立っている印象です。
酪農と漁業が盛んで、牛がのんびり草をはんでいる背景が海だったりと、十勝からすると新鮮。
最東端の岬があったり、何故か函館名物『ヤキトリ弁当』が食べられたりします。
空知総合振興局
- 振興局所在地は夕張市
- 約6,600Km
- 島根県と同じくらい
軍用の羊を生産していた関係で、ジンギスカンの発祥地方とも言われています。
松尾ジンギスカンは滝川発のお店です。
また、皆大好き『ソラチ』は芦別生まれ。
夕張の炭鉱博物館はちょっと驚く入館料でしたが、中に入ると頑張れ!という気持ちで一杯になります。
樺戸&空知監獄、アンモナイト、炭鉱、米、さくらんぼなどの果実が有名で、渋かっこいい地方(十勝目線)。
秋頃に行くと、車窓から黄金色に輝く稲穂が広がる風景を見られるのにも感動します。
三笠の博物館でアンモナイトを堪能した思い出
釧路総合振興局
- 振興局所在地は釧路市
- 約6,000Km²
- 茨城県と同じくらい
十勝&オホーツクからすると兄貴分にあたる(と思っている)地方です。
ちょっと日帰りで遠出したい、という時に丁度良い距離感と海沿いをドライブできて楽しいです。
道東の中でも大きな港があったり、イオンが2つあったり、行く度に都会だなぁと思います。
いずみやのカツスパはいつも食べてみたいと思いつつ、行列を見て怖じ気づいてます。
遊べる本屋コーチャンフォーの発祥地。
時期にもよりますが、夜の十勝釧路間の海沿いの道路にはエゾシカがたくさん出るので要注意として有名です。
ちなみに、タンチョウは十勝の畑にもちょいちょいいます。
釧路の博物館に行った思い出話
日高振興局
- 振興局所在地は日高町
- 約4,800K㎡
- 和歌山県と同じくらい
十勝から見ると、日高山脈を隔てたお隣さんです。
十勝のばんえい競馬の馬とは違い、ほっそりしなやかなサラブレッド達が放牧されている様子を車窓から楽しめました。
平取町には二風谷があったり、静内にはシャクシャイン像があったり、アイヌ文化にも触れられる地方です。
ウマ娘のゲームやアニメを知ってから行くとより一層楽しめます。
あと、ちょっと変わった『ちょいす』という回転寿司屋さんに驚きました。
回転寿司で豚串があるんですもん。
後志総合振興局
- 振興局所在地は小樽市
- 約4,300K㎡
- 富山県と同じくらい
これでもか!というくらいに果物の国(十勝目線)。
小樽ワインにニッカウヰスキー、余市ワインが集まってる、夢のような地方です。
岩内、積丹ではホッケが釣れるし、小樽水族館もあるしで正直住めるなら住みたい。
ルスツリゾートにニセコスキー場もあり、観光以外のアクティビティも豊富って
歴史も深く、1泊2日くらいの北海道観光だったら正直、この地方で事足りちゃうんじゃないですかね。
宗谷総合振興局
- 振興局所在地は稚内市
- 約4,000K㎡
- 滋賀県と同じくらい
宗谷岬からは天気が良いとサハリンが見え、宗谷岬の歌を聞ける歌碑もあります。
稚内の駅がテイクアウトがおしゃれで、映画館併設で近代的でした。
水族館と青少年科学館がセットになっているのも嬉しいポイント。
コンビニがセイコーマートしかないと有名(?)でもあります。
ちなみに十勝から宗谷を目指すと片道6時間以上かかるので、おいそれと行けません。
留萌振興局
- 振興局所在地は留萌市
- 約4,000 K㎡
- 滋賀県と同じくらい
オホーツク→宗谷の海岸線とも違う、日本海側な空気感。
十勝からだと覚悟を決めないと行きにくい距離感なのが歯がゆいです。
1980年代までは海沿いに国鉄の羽幌線が走っていたそう。
看板などで出てくる、るるもっぺってなんだ?と思っていたら留萌市の由来になったアイヌ語なんですね。響きが可愛い。
アイヌ語のルルモッペが語源。
ルルは(汐)モは(静)ヲッは(ある)ペは(水)のこと。
「汐が奥深く入る川」という意味で、留萌市を流れる留萌川から名づけられている。
引用元・留萌市-留萌市の概要
渡島総合振興局
- 振興局所在地は函館市
- 約3,900 K㎡
- 滋賀県と同じくらい
北海道の歴史の本を読んでいると出てくる地名(七重、飯田、大野、亀田など)ばかりで、実際に現地に行くと史跡だらけの地方です。
函館山の夜景は修学旅行で絶対見るものでした。
函館はなんとか行ける(十勝から片道6時間以上)ものの
松前の方(十勝から片道7時間以上)はまだ行った事がありません。
松前城見たい!北海道の南を感じたい!
憧れしかありません。
いつか、一週間じゃ足りないだろうから1ヶ月滞在してみたいです。
胆振総合振興局
- 振興局所在地は室蘭市
- 約3,700 K㎡
- 奈良県と同じくらい
熊牧場、マリンパークニクス、伊達時代村、登別温泉、洞爺湖などなど
温泉でのんびりしてからおでかけするのに、ぴったり。
子供の頃の1泊2日で行く家族旅行先といえば胆振地方でした。
小さい頃、伊達時代村で花魁道中を見て感動した覚えも。
夜に室蘭、苫小牧を通ると工業地帯な夜景に感動します(十勝目線)。
石狩振興局
- 振興局所在地は札幌市
- 約3,500 K㎡
- 鳥取県と同じくらい
北海道の首都・札幌市、空港と支笏湖のある千歳市、ボールパークもできて栄えるしかない北広島市や恵庭市を含む地方です。
そして、実はずっと札幌市の中に石狩という地区が入ってるんだと思ってましたごめんなさい。
檜山(桧山)振興局
- 振興局所在地は江差町
- 約2,600 K㎡
- 佐賀県よりちょっと大きいくらい
渡島が京都なら檜山は奈良にあたるような歴史のある地方なのではないでしょうか。
室町時代頃の松前藩の話を読んでいるとまさに物語の舞台。
館跡を回ってみたいだとか、史跡巡りをしてじっくり見て回りたいとずーっと昔から思っているものの実現できていないのが悔しい。
渡島檜山合わせて歴史ある道南地方が眩しくて憧れます。
北海道の区分変化
松前藩域・西蝦夷・東蝦夷
江戸時代初期頃の松前藩とその他の土地の分け方はざっくりこんな感じです。
藩域は和人地とも呼ばれ、当時は北海道で本州からの人間が快適に住める場所とも考えられていました。
東西の蝦夷地には主にアイヌ民族の人々が暮らしており、本州からの移住者もいくらかいました。
場所
江戸時代頃、各地域は発展した「場所」で大体の名前が知られていました。上記の場所はあくまでも一部しか載っていません。
松前藩はお米での給料(知行)を藩士に払う代わりに、道内の土地を与えていました。
その際、武士は商売をやったことない&上手に出来ない、ということで商人に任せる代わりにお金を貰うシステムが生まれました。
この商売や漁業をする場所を「場所」や「漁場」と呼んでいました。
そして、それぞれの地域は発展していきました。
幕府、蝦夷地を直轄地に
1700年代後半になってくると、北海道の回りでロシアなどの外国の船がウロウロするようになりました。
海産資源目当てだったり、土地そのもの目当てだったりしたのでこれは松前藩にだけ任せておけない!と幕府は北海道を直轄地にして管理するとしました。
1800年頃と1855年頃の2回行われています。
図は1855年頃に警備を任された東北諸藩のざっくりとした受け持ち地域です。
戊辰戦争が起き、藩士は北海道から引き上げて幕府も倒れる事になりました。
また、宗谷や斜里で津軽藩が悲劇に見舞われたのは1800年頃の話です。
明治・11国68郡
明治時代になると江戸幕府に変わって、新しくできた明治政府が北海道を管理する事になりました。
その際、開拓使が管理しやすくするために北海道を10国+千島国の計11国に分けました。
かつての場所を元に各地に国として分け、行政の中心になる札幌は本府、江戸時代の行政の中心だった函館も函館府になったりしました。
この時、北海道の扱いはまだ悩ましいものだったのでしょう。
廃藩置県の時には特に発展している桧山、渡島地方を舘県・函館県で分けてみたり、一瞬だけ青森県の一部に加えてみたりしました。
数年でまた無かった事になるので、現場は混乱しまくっていた事でしょう。
三県一局
1882(明治15)年に開拓使が無くなり、代わりに行政を県として行おうという事に。
しかし、
- 発展しまくっていた道南
- これから頑張ろうとしている道北・道央・十勝
- ロシアと近い根釧・オホーツクを分ける
という荒業。
当時は道南に人口が集中していたので、人口と面積がぐちゃぐちゃで、とりあえずテキトーにつけてみた感があります。
道庁ができる1886(明治19)年12月までの約4年の話です。
19支庁になった明治30年
三県に分けてみたものの、人口や財政状況のバラつきでなんかうまくいかない。
色々やってみた結果、
道庁として北海道を一手に引き受けつつ、それぞれの地域については支庁で宜しく!という方向に収まってきました。(意訳)
市町村も次第に出来ていたので、その地域のまとめが支庁、支庁の総まとめが北海道道庁みたいな感じでしょうか。
ちなみに、これらはあくまでも地域の行政区分なので、住所を書くときなどは市町村名や、○○郡など所属している地域名が使われています。
札幌、檜山、空知、上川、宗谷、網走、室蘭、釧路、河西、根室、紗那、浦河、増毛、寿都、岩内、小樽、函館、亀田、松前
名前が変わったり、それぞれがくっついたりなんだりで、最終的に1957(昭和32)年頃には総合振興局の前身になる14支庁になりました。
2010年から支庁→総合振興局
なんだかんだで、14の支庁で地域の行政を司る体制が整えられ、すっかり慣れていた頃に
2010年4月1日から「北海道総合振興局設置条例」によって
- 総合振興局×9
- 振興局×5
に変わりました。支庁を下敷きに変わったようですが、お偉いさん達は8分割や6分割にする事も考えていました。
地域によって人口が減りまくっていたり、行政にかけるお金に困る地域があったりしたので、そんならくっつけよう!という事を考えられていたそう。
最終的には支庁制度の流れを汲もうという事で、14分割のままでいくことになりました。
ちなみに、総合振興局と振興局があるのはいくつか理由があるようです。
- 総合振興局(大)の出先機関として
- 振興局(小)を置こう
と当初は考えられていたそうです。
檜山、留萌、日高、根室は振興局とされたので、他の地域と比べてレベル下げになるじゃん!と反発するだろうから、
石狩(札幌)も仲間だよって事にしたかったそうな。
しかし、これだと札幌は政令指定都市なのでそもそもの規模が違うでしょ!という話になってしまいます。
結局話し合いの結果、総合振興局も振興局も立場は一緒、同じレベルだよって事で話しはまとまっているそうな。
普通に生活している上では何の話なのかやっぱりよく分かりませんが、役所が地域でどうこうする、となった時には大きな問題だったのでしょうね。
まとめ
北海道の分け方について気になったので調べると、とりあえず昔から道南は発展してたんだなぁとしみじみ思いました。
いつか行って数日かけて、どっぷり道南の歴史に浸かりたいと願っています。
以上、道南に強い憧れを抱く道東十勝民のおかめでした。
北海道内の旅行に行くなら北海道遺産も見て回るよ楽しいですよ↓↓