エゾシカ肉が大好きな食いしん坊・おかめです。
家族が貰ってきたエゾシカ肉を食べた後、ふと気になりました。
と気になって色々調べてみた事をせっかくなのでまとめてみようと思います。
- エゾシカについて気になっている
- アイヌ民族のエゾシカ利用が知りたい
- エゾシカ肉を欲しいと思っている
- エゾシカと車でぶつかったらどうしたら良いんだろう?
と考えている方の参考になれば幸いです。
エゾシカについて
エゾシカは日本最大のシカ
エゾシカはニホンジカの種類の1つで、サイズは日本国内最大です。
- 本州に住んでるホンシュウジカ(130~160cm)
- 屋久島に住んでるヤクシカ(90~120cm)
に対して140~180cmになり、体重も100kg以上になる。
ベルクマンの法則で、同じ種でも寒冷な土地だと寒さに耐える為に大きくなると考えられています。
体の表面積が大きいとその分熱をためこめるんだとか。
ツキノワグマよりヒグマの方が大きい、っていうのも寒冷仕様の為なんですね。
エゾシカ豆知識
- ツノが生えるのはオスだけ
- 毎年生え変わる
- 胃は四つある
- ウシみたいに反芻する
- 基本的にメスは子供連れ&数頭でいる事が多い
- オスはある程度大きくなると群れから離れて暮らす
- 秋に発情期を迎える
- 交尾期になるとハーレムを作る
- 10月中旬をピークに頑張る
- 頂点に君臨するボスは食事をとる暇もないほど
- 鹿の妊娠期間は約8ヶ月
- ベビーラッシュは6月頃
最終的にはオスはガリガリになったり、激務で命を落としてしまう事もあるんだとか。
ちなみに、シカに良く似たウマは、反芻しないし胃は1つだけだったりします。
- オス同士が見せびらかして優劣を競う
- 実際にぶつかって優劣を決める
ためにあるのでは?と考えられています。
アイヌ民族とエゾシカ
獲物、の意味です。
村を守ってくれたり、肉を与えてくれる生き物をカムイ(神)としてアイヌ民族は大切にしていた、とよく言われていますがエゾシカに関してはちょっと特殊です。
神様が人間たちに天からたくさんばらまいてくれた獲物、と考えられていたんだとか。
とくに道東地方では、エゾシカがおろされると考えられていた山や場所があります。
ちなみに、生息数が少ない宗谷地方など、地域によってはカムイとして大事にされていました。
肉はそのまま料理して食べる他燻製にして保存したり、膀胱を水筒代わりにしたり、毛皮や皮で衣服を作ったり、鹿角は細工物を作っていました。
ちなみに、鹿の毛皮をユクウル、エゾシカで作られた冬用の靴をユクケリとも言い、冬の間に猟に出る時には犬の毛皮を羽織って鹿と間違われないようにしていたんだとか。
北海道で明治以前はたくさん鹿がいた、という話もありますが、全道にまんべんなくびっしりというよりも、
主に道東に生息していて季節によって日本海側などに遠出をしていたと考えられています。
道東の冬は雪が少なく、越冬しやすかったんじゃないか?と言われています。
エゾシカが増えた理由や歴史についてはコチラ↓をどうぞ
>>エゾシカが増えた理由と影響、被害は?エゾオオカミ絶滅との関係
食肉としてのエゾシカ
エゾシカ肉の特徴
エゾシカ肉は女性にオススメな食材と言われていますが、低脂質&鉄分豊富で貧血予防にうってつけだからなんですね。
他にもビタミンBKEやアミノ酸、ミネラルなども豊富に含まれてるそう。
エゾシカ肉の栄養分析では、夏から秋にかけてたんぱく質と脂質が増加していたのだとか。
秋に繁殖期を迎えるので、たくさんご飯を食べているからなのでしょうか。
エゾシカを生食NGなワケ
特に生でシカ肉を食べてはいけない!と言われる理由
E型肝炎、トキソプラズマ症、腸管出血性大腸菌O-157
という、風邪に似た症状が出る食中毒になるからです。
ウイルスは加熱すると死滅するので、加熱調理が必須。
冷凍してもウイルスは死なないので注意です。
また、シカの毛皮にはマダニがいます。
ダニが媒介する病気や内臓には寄生虫がいたりもするので、家族や知り合いがシカ肉とってきたのを貰った、という時はその点も注意がオススメです。
ちなみに、クマ肉も刺身で食べられていた事がありますが、エゾシカ同様、食中毒&寄生虫の危険性があるので生食はNGです。
エゾシカ肉を美味しくするために
狩猟でとってきたエゾシカを美味しく食べるために、
- とったらすぐ血を出す
- 新鮮なうちに内臓をとる
- 冷却する
事で獣臭さなどを軽減できるとされています。
料理する時には、
- 低温でじっくり加熱
- ケモノ臭い時には揚げ物に
すると美味しくなります。
エゾシカ肉の入手法
- 人手不足&施設が限られている
- 安定&大量流通が難しい
- 処理によってニオイや味にばらつき
- 品質評価の基準が曖昧
- 専門業者が少ない
などの理由のため、エゾシカ肉の流通は難しいのだとか。
なのでオススメは北海道民だとコープさっぽろで買う事です。
2013年から道内の大型スーパーとして初めて、エゾシカ肉の常時販売が開始されました。
最初は6店舗だったのが、今では約40店舗で扱われています。
コープさっぽろでは厳しいルールが設けられています。
- 屠畜場は北海道HACCP認定工場のみ
- エゾシカ肉に異常がないかなどしっかり確認する
- 一時養鹿されたメスのみ
- 個体管理番号で消費者が確認できるようにする
肉の質や安全性を高めた上で、家畜のように食肉として衛生的に処理されます。
フェンスで区切られた広い場所に鹿をエサなどで誘いこんで、傷つけずに生け捕りにされています。
ルールをクリアして提供できる量には限りがあるので、豚や鶏のように大量に売る、というのはまだ難しいようです。
知床ファームなど限られた処理施設から来たエゾシカ肉を販売しています。
販売するときにも生食はしないようにすると注意を促したり、ラベルに書かれている管理番号でどこでとれたエゾシカなのか?が確認できるようになっています。
毎月第四火曜日はシカの日という事でエゾシカ肉が安く販売されます。
実際にコープで買うと、モモ肉や肩ロースなど部位ごとに選んで買えたり、加工品も並んであって選ぶ楽しみもありました。
どこのコープさっぽろで買えるの?という事は、ホームページで確認する事ができます。
↓狩猟と飼育のエゾシカを食べ比べてみました。
コープさっぽろ以外でもネット通販などでエゾシカ肉を買う事もできます。
缶詰だと陸別町浜田旅館の混ぜご飯の素がすごく美味しいのでオススメです。
エゾシカの利用方法
鹿角
- オスにだけ生える
- 春に生え変わる
- 袋角は漢方薬になる
- 硬くなった鹿角は装飾品に
角が生え変わる時に、そのままにょきっと白い角が伸びてくるというわけではありません。
まず、袋角というやわらかい角が生えます。血管が通っていて、傷つくと痛々しい事になります。
そして、根元からどんどん硬くなって秋頃になると、剥製などでよく見かける白い角になるのです。
年齢によって枝わかれが変わるので、大きなツノを持っているシカはそれだけ長生きしている、という事ですね。
鹿皮
昔は日本でも鹿皮は有効活用されていました。しかし、
- なめし工程に手間がかかる
- 皮にダニが大量にいて危険
- 国産より外国製のが安い
などの事から日本で扱われる鹿皮製品は今では数が少ない&高価になっています。
たまに道の駅だとかイベント事などで鹿皮製品が売られているのを見かけます。
エゾシカと交通事故
北海道ではエゾシカなどの野生動物と車や列車がぶつかって事故になる、というのもよくある話です。
特に道東地方、釧路の道路はよくエゾシカが出ます。(個人の体感)
エゾシカの事故が冬に多い理由
- 線路や道路際の斜面の日当たりが良い
- 見通しが良いので敵を見つけやすい
- 森の近くだと身を隠しやすい
- 線路を舐めてミネラル補給したい
- 周辺に生えた草を食べたくて
- 通り抜けしたかったから
などの理由でよく出てきてぶつかってしまうのでは?と考えられているのだとか。
街灯が少なく暗い山間部や、車通りが少なく森に近い道を走る時にはシカの飛び出しには注意が必要となっています。
野生動物とぶつかったら
- 道路緊急ダイヤル♯9910に電話する
- 警察に電話する
素手で触らないようにしながら交通の妨げにならないように動かす、生きていれば動物病院に連れていく、という事も必要になります。
ダニなどの虫を媒介にして病気になる事があるので、素手で触るのは危険です。
また、食べられるのでは?
と思ってしまう事もありますが、素人では処理できるものでない&内臓破損していたら食べるのに向かないなどの理由があるので、現実的では無いでしょう。
ちなみに、エゾシカの角がフロントガラスを突き破って運転手のお腹に突き刺さった、なんてお腹が痛くなる話や、車がへこんで使い物にならなくなった、という話も。
前方車両がなんか遅いな、と思っていたら道の周りに鹿だらけだった、なんて事もありました。
何にせよ、野生動物が出てきそうな場所・時期・時間の道路走行には要注意ですね。
最後に
エゾシカについて、アイヌ民族との関係や入手方法など雑学豆知識についてまとめてみました。
特にエゾシカなどの野生動物との交通事故はロードキルとも言われ、問題になっています。
エゾシカが増えている事から農林業や植生に対してなど様々な問題も起きており、可愛いだけの存在ではなくなっている、という事がよくわかりました。
エゾシカを自分でとって食べたい!という時には狩猟免許が必要になります。
大事な事や金額などまとめてみました↓
>>北海道でエゾシカを狩猟するのに必要な免許や費用は?駆除したら貰える報奨金って?