釧路の標茶町には、北海道の開拓の歴史に大きな関係があった集治監の一つ・釧路集治監(釧路分監)がありました。
そして、太平洋戦争の頃には陸軍が使う馬を管理する機関である軍馬補充部川上支部もあったのです。
そして、釧路集治監初代典獄であり、樺戸集治監では三代目典獄を務めた大井上輝前が北海道の先人・偉人をカードにした先人カードになって配布されていました。
釧路集治監&軍馬補充部川上支部について勉強したくて標茶町博物館、ニタイ・トへ行って来た感想と注意ポイントをまとめてみました。
ただ、目当てで行った釧路分監の建物が冬期閉鎖(11月~4月末)だったので、また行きたいと思います。
標茶町博物館ニタイ・ト
基本情報
開館時間
9時半~16時半
料金
大人 200円 20人以上の団体 150円
高校生以下・70歳以上 無料
注意点
電話で開館情報などを確認した時は特に何も言われなかったので、かなりショックでした。
外観は見られるのですが、中を見る事ができません。
監獄情報目当てで行く場合は時期を考える事をオススメします。
※コロナな今なので、開館情報を確認する為に事前に電話での問い合わせをする、ホームページを確認するなどしておくと安心かと思います。
公式サイトの情報やFacebookなどを要チェックです→標茶町博物館
標茶町博物館の見どころ
- 標茶の歴史が学べる
- 縄文時代の土器がたくさんある
- 標茶とアイヌ文化を知ることができる
- チャシの形がジオラマで再現されている
- 動物の剥製がどんっと置いてある
- 木の標本が見比べられて楽しい
- 飯島コレクションの昆虫標本がたっぷり
木の標本は名前を聞いたことがある!という木がたくさん並んでいて、樹皮と中身が分かる形になっていました。
昆虫の研究に人生をかけた飯島一雄さんが集めたという昆虫の標本もあり、
虫が好き、釧路の博物館めちゃくちゃ楽しいと思った、という方にはすごく楽しい場所なんじゃないかと思いました。
また、アイヌ文化の紹介ではベカンベ祭りというアイヌ民族の祭事にまつわる事について詳しく紹介されていました。
知らないことばかりで、勉強しないとな、と思いました。
標茶町博物館で知る釧路集治監
博物館の中では、様々な写真と共に、釧路集治監と標茶の歴史が紹介されていました。
ただ、初代典獄の大井上輝前についてもそうですが、思っていたより詳細な紹介では無かったです。
釧路集治監といえば硫黄山での囚人使役が問題となっていましたが、その件についてもあまり触れられていなかった印象です。
という気持ちでざわざわしました。
ちなみに、釧路集治監は開庁して約10年で閉庁しています。
その後は網走監獄に囚人が移送されたり、実質網走監獄に合併した形になりました。
大井上輝前と十勝監獄
十勝帯広にも十勝監獄が存在しました。
その十勝監獄が作られる前、内陸部にある帯広と海岸の町・大津を結んだ大津街道を開削したのが当時釧路集治監に収監されていた囚人達です。
そして、先人カードとして配布されていた大井上輝前は、十勝監獄を作る土地の視察も行っていたのです。
これで網走監獄にも関係があったら胸アツすぎるのですがどうだったのでしょうか。
詳しく勉強してみたいと思います。
軍馬補充部川上支部
太平洋戦争中に『生きた兵器』として利用されていた馬を育てる機関であった軍馬補充部。
北海道の中にいくつかあり、標茶にも川上支部が存在していました。
- 軍馬補充部の働きや写真
- 旭川の第七師団、青森の第八師団に馬を送っていた
- 使われていた道具の展示紹介
- 焼き印が残っている時計
- 補充部の馬を狙う熊を撃っていたマタギの話
などなど、実際に存在していた、という感じが強く伝わってきてすごく楽しかったです。
冬の寒さに負けない馬を育てる、という事に比重を置いていた支部だった、という事も知る事ができました。
そして、釧路集治監の敷地を軍馬補充部に転用したという事を標茶町の博物館に来て知る事ができました。
もっと早い時期に行っていたら、と無知だった自分が恨めしい事この上ないです。
最後に
大井上輝前のカードをもらいに行った標茶博物館の感想まとめでした。
繰り返す事になりますが、冬(11月~4月)は釧路分監本館、旧塘路駅逓所が見られないので、注意が必要かと思います。
以上、北海道明治開拓期の歴史の中でも特に監獄の事が気になっている十勝民・おかめでした。